9月8日(金) 北風と太陽

北風と太陽

イソップ寓話の1つに「北風と太陽」があります。

物語は、旅人の上着をどちらが先に脱がすか、力比べをする内容です。この話は人材育成や家庭教育など、指導者側の教訓として読み解くこともできます。

美容業を営むM氏は、優れた技術を持ちながらも険しい表情で仕事をする社員に、「笑顔で接客しましょう」と伝えても、頑なに拒む態度に悩んでいました。

M氏は〈笑顔になれない理由があるのではないか〉と視点を変え、相手に寄り添い、傾聴を心がけると、深刻な悩みを1人で抱えていることを知りました。

そこで、解決に向けてアドバイスしつつ、見守ることにしました。その後、社員は次第に笑顔になり、イキイキと働くようになったのです。

人材育成は、各々の性格や特質、環境が異なるため、正解はないとされていますが、知らず知らずのうちに北風のような力業で相手を変えようとして逆効果になることもあるかもしれません。

相手に寄り添い、やる気を引き出す方法があることを肝に銘じましょう。

今日の心がけ◆相手の心情をくみ取りましょう
                   (出典:職場の教養 2023年8月号)


◼️会社を辞めない起業家に向けて

『北風と太陽』の教訓は、人材育成や家庭教育だけでなく、起業の道にも非常に適用可能です。会社を辞めずに起業を考えているビジネスパーソンの皆様、この物語には貴重なヒントが詰まっています。

初めてのビジネスを立ち上げる際、我々はしばしば北風のように力強く、速度感を持って突き進もうとします。副業として起業を始める場合、時間も資源も限られているため、自然と強引な手法に出がちです。

しかし、ここで北風のような手法が逆効果になるケースが多いです。M氏のように、従業員やパートナー、さらには顧客に対しても、寄り添う姿勢と傾聴のスキルが求められますね。

◼️今日のおすすめの一冊

本日、皆様に特におすすめしたい一冊は、スティーヴン・R・コヴィーの『7つの習慣』です。この書籍は、ビジネスだけでなく、人生全般において非常に有用な7つの習慣を紹介しています。

『北風と太陽』のエピソードと共通する部分も多く、特に「理解してから理解される」という習慣は、ビジネスでの人間関係やマネジメントに直接的なインパクトをもたらします。この習慣は、他人とのコミュニケーションでまず相手を理解することの重要性を教えてくれます。これは、「相手に寄り添い、傾聴を心がける」という『北風と太陽』の教訓とも深く響き合う内容です。

また、この書籍は自己啓発だけでなく、チーム作りやリーダーシップにも多くの洞察を提供してくれます。会社を辞めずに起業する際には、多くの人々との協力が不可欠です。『7つの習慣』が提案する原則は、他者と効果的に協働するための素晴らしいガイドラインとなるでしょう。

行動が未来を切り開く鍵であるように、この一冊もあなたが次のステップを踏み出すための強力な道具となるでしょう。ぜひ、読んでみてください。

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