8月28日(月) 水差しの見方

水差しの見方

イソップ寓話に「カラスと水差し」という話があります。

長旅で喉が渇いていたカラスが、1つの水差しを見つけました。しかし、水は底の方に少ししか入っていません。しかも、水差しの首が長くて、どうしても嘴(くちばし)が水面に届かないのです。そこでカラスは試行錯誤し、名案を思いつきます。

それは、いくつもの小石を水差しの中へ落とすことでした。すると中の水は嵩(かさ)を増し、嘴のところまで届いて喉を潤すことができた、という話です。

この寓話から、私たちは様々な教訓を見いだすことができます。例えば問題解決のために考え、工夫することの尊さ、小石を落とし続ける根気強さ等です。

水差しの外側だけでなく、内側に目を向けなければ小石を入れることなど思いもつかないでしょう。仕事においても、身の回りで起きてくることも、私たちの目は外側に向きがちです。

問題が生じてもあきらめることなく、多様な視点で物事を見つめることが必要です。周囲への見方を変えた時、新たな発想も生まれるのではないでしょうか。

今日の心がけ◆視点を変えて考えてみましょう



◼️会社を辞めない起業家に向けて

『水差しの見方』というイソップ寓話は、起業家やビジネスパーソンにとって非常に教えが多い話です。その中でも特に注目すべきは、視点を変えることの重要性です。

私が起業した当初、事業のスケールが小さく、すぐに売上が上がらなかったために落ち込むことが多かったです。しかし、”鳥の目”の視点で考えると、そのような小さな失敗は大きなビジョンに対しては些細なものであることに気づきました。一方で、”魚の目”で日々の業績を細かく分析することで、改善点を見つけ出すことができました。そして、”虫の目”で具体的なタスクを見つめることで、失敗を次に生かす具体的なアクションを見つけることができました。

多くの人々は、視点が狭く”虫の目”になりがちです。毎日の忙しさや問題に対処するために、大局的な視点を失いがちです。しかし、カラスが水差しに小石を入れるような工夫が求められる場面で、大局を見失ってはいけません。虫の目、魚の目、鳥の目、これらの視点を意識的に使い分けることが成功への鍵です。

もう一つ、この寓話から学べるのは、試行錯誤の重要性です。カラスは一度失敗したからといって諦めませんでした。何度も小石を入れることで、ついには成功を手に入れました。起業家としても、何かを始める際には必ず困難がついてきます。しかし、諦めずに試行錯誤を繰り返すことで、失敗はなく、すべてが学びとなります。

最後に、会社を辞めずに起業を考えているあなたに伝えたいことがあります。その安定した環境から一歩を踏み出すことは勇気がいりますが、世の中の水差しはまだまだ無数にあります。その中であなた自身が小石を投げ入れることで、新しい価値を生み出せるのです。何もしないでいると、永遠に水面は上がりません。視点を変え、諦めずに行動することで、未来は必ず変わります。さあ、あなたの小石を投げ入れてみませんか。

◼️今日のおすすめの一冊

ビジネスパーソンの皆さんに特におすすめしたい一冊は、スティーブン・R・コヴィー著の『7つの習慣』(The 7 Habits of Highly Effective People)です。この本は個人効果を高め、成功を築くための7つの習慣について詳しく解説しています。

『7つの習慣』は、先ほどの「水差しの見方」エピソードで触れたような視点の重要性、試行錯誤の価値、そして全体像を見る大局的な思考法に密接に関連しています。本書は個々の習慣を段階的に実践していくことで、一人ひとりが自分自身の「内面の水差し」を充実させ、人生の各局面で効果を発揮する力を高めることができます。

特に、「第二の習慣:目的を持って始める(Begin with the End in Mind)」は、ビジネスにおいても非常に有用です。これは、目的と目標を明確にすることで、より効率的かつ効果的に行動できるという考え方です。この習慣は、大局的な「鳥の目」の視点と密接に関連しています。

また、「第五の習慣:まず理解に努め、次に理解される(Seek First to Understand, Then to Be Understood)」は、ビジネスにおいて人間関係をスムーズにし、コミュニケーションの質を高めることに貢献します。この習慣は、「虫の目」や「魚の目」の視点で細かな事象に目を向ける際に特に重要となるでしょう。

さて、これからあなたがどのような小石を自分の水差しに投げ入れるのか、その指針として『7つの習慣』は非常に有用です。この一冊を手に取って、自分自身の視点を広げ、成功につながる習慣を身につけてみてください。

ページをシェアする