8月27日(日) メモの内容

メモの内容

メモに取った内容が不十分で、後から読み返しても意味がわからない、といった経験をした人もいるのではないでしょうか。

月末の繁忙期、Fさんは複数のお客様から電話を受け、そのつどメモをとっていました。数時間後、一段落してメモを読み返してみると、〈〇〇商事、30日10時書類の件TEL〉とだけ書いたものがありました。

Fさんは、電話をかけるのか、かかってくるのか、また書類を送るのか、送ってもらうのか、さっぱり思い出せません。再度電話で確認し、事なきを得ましたが、案件によっては大きな問題になったかと思うと、肝を冷やしました。

企業支援事業などを運営する、ナイスクの取締役会長の松尾喬(まつおたかし)氏は、メモのとり方について「箇条書きの文章の鉄則は、『一文一意』だ。それは1つの文には1つの意味のことしか書かないということだ」と自著に記しています。

今回の場合、〈30日10時TEL来る。〇〇商事に書類を送る〉とすれば誤解がなかったでしょう。メモのとり方一つとっても、工夫の余地があるのです。

今日の心がけ◆情報を的確に記しましょう
(出典:職場の教養 2023年8月号)



◼️会社を辞めない起業家に向けて

起業家として、またそれを目指すビジネスパーソンにとって、日々の業務中に何気なく行う行動や習慣が非常に重要であると改めて感じました。特に今日のエピソードでさらに私が気になったのは、「〇〇商事」という表現です。

お客様か関係会社かは分からないまでも、普段相手と顔を合わせている時は、〇〇商事様や、〇〇商事さんと呼んでいるのであれば、社内でもそう呼ばないと失礼ですし、メモにもそう書き残す必要があると考えます。言葉遣いや対応の習慣は、そのまま企業文化や品格を形作る要素ですから。

人間の活動は99%以上習慣(無意識)で行われている、とよく言われます。メモを取る行為もそれに該当します。つまり、その一つ一つの行為が、後で大きな違いを生む可能性があるのです。例えば、メモが不十分であれば、それがクライアントとの信頼を損なう可能性もあります。反対に、丁寧なメモが顧客満足度を高め、ビジネスにおいてプラスとなる可能性も高いです。

ナイスクの取締役会長の松尾喬氏が指摘するように、箇条書きの文章の鉄則は、『一文一意』です。一つの文には一つの意味のことしか書かないということは、特に忙しい日常業務中には非常に重要です。情報を的確に伝え、誤解を避けるためにも、こうした工夫が必要です。

もしあなたが会社を辞めずに起業を考えているなら、このような「些細な」習慣も見直してみてください。成功する企業とそうでない企業の違いは、しばしば「些細な」習慣に隠されています。立派なビジョンやアイデアも重要ですが、それを具現化するためには、日々の小さな行動が積み重なることが欠かせません。この機会に、自分の業務における「習慣」を見直し、起業への第一歩としてみてはいかがでしょうか。



◼️今日のおすすめの一冊

ビジネスパーソンにとって、日常の習慣や業務におけるマイクロスキルは絶対に無視できない要素です。その点を考慮すると、私がおすすめする一冊は、『習慣の力』(原題:”The Power of Habit”)著者:チャールズ・デュヒッグです。

この本は、人間の行動や習慣がどのように形成され、そしてそれがどのように変えられるのかについて、多くのリサーチと事例を元に解説しています。ビジネスにおいても、個々の習慣が組織文化や業績に大きな影響を与えることが多いです。『習慣の力』は、そのメカニズムを理解し、より良い習慣を形成する方法を提供してくれます。

特に、「習慣のループ」と呼ばれる概念は非常に興味深く、それを理解するだけで日々の業務が格段に効率的になる可能性があります。習慣は無意識のレベルで行動に影響を与えるため、それを制御・改善することで、ビジネスにおける多くの局面で優位に立つことができます。

さきほどの感想文で触れたように、日々の「些細な」習慣が積み重なって大きな成果を生むのです。この本を読むことで、その「習慣」に対する理解を深め、自分自身または組織の成長に繋げられるでしょう。読後は、きっとあなたの日常やビジネスにおける習慣に対する考え方が変わるはずです。ぜひ一読をおすすめします。

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