4月25日(火) 母への思い
母への思い
Sさんは3年前に母を亡くしました。朝晩、仏壇に手を合わせ、今日も元気に生活できていることへの感謝の気持ちを伝えています。
母は夫に先立たれた後、一人で暮らしていましたが、歳を重ねて思うように動けなくなりました。Sさんは通院の際に付き添いや買い物の手伝いなど、母の世話を一生懸命に取り組みました。
母も喜んでくれて、十分ではなかったかもしれませんが、親孝行ができたと自負していたSさんです。しかし、母が日頃どんな気持ちで過ごしていたかについては考えたことがなかったことに気づきました。
日常生活の介助だけでなく、もっと話を聞いてあげればさらに喜んでくれたのではないかと思ったのです。数々の苦難を乗り越えてきた母です。その辛かった思いを聞いてあげるだけでも、喜びが増したかもしれません。
母が亡くなった今では話を聞くことはできませんが、在りし日の母に思いを巡らし、日々、感謝の気持ちを深めています。
今日の心がけ◆親への感謝を深めましょう
(出典:職場の教養 2023年4月号)
■経営者からの感想
Sさんの母への思いは、ビジネスの分野においても大切な教訓を含んでいますね。
人間関係の深化やチームビルディングにおいて、コミュニケーションの重要性は常々語られています。
実際、ギャラップ社が行った調査では、従業員のエンゲージメントが高まることで生産性が向上し、売上高も増加することが報告されています。
具体例として、Googleの「アリストテレスプロジェクト」では、チームの成功を左右する最も重要な要素として、心理的安全性が挙げられました。これは、上司部下を含めたメンバー間で話を傾聴しあったり、感情や悩みを共有することにより築かれていきます。
私たちも一人一人がどのような気持ちで過ごしているかを理解し、リーダーとして感謝の気持ちを表現することで、チームの絆をより強化し、業績の更なる向上に繋げていきましょう。
さらに、私たちが心を磨き、自己改革や道徳性を向上させるべく、『真設 「陽明学」入門』-林田明大著 をおすすめします。
この本は、陽明学の基本的な概念や考え方を現代的な視点で解説した書籍です。
陽明学は、明代の中国で開花した儒教の一派で、王陽明が提唱した思想が中心となっています。
この学派は、心を重視し、人間の良知を大切にすることで、道徳や倫理を高めることを目指しています。
私たちビジネスリーダーにとっても、陽明学の考え方は有益であることが多々あります。
特に、道徳的な価値観や倫理を重んじることで、組織全体のエシカルな行動や経営を促すことができます。また、自己改革や自己啓発の観点からも、陽明学の教えは役立つでしょう。
この書籍を読んで、自己啓発を図りながら、周囲とのコミュニケーションや感謝の心を大切にすることを更に実践していくことで、チームの絆を更に強化し、更なる業績向上へと繋げていきましょう。