9月14日(木) 視線を向ける

視線を向ける

「目は口ほどに物を言う」といいますが、職場内で挨拶を交わす時や、人の話に耳を傾ける際にも、視線は意外と強い力を持ちます。

Tさんが出勤後、机に向かって仕事をしている時のことです。後から出勤した同僚からの「おはようございます」という声に気づき、挨拶を返そうとしました。

顔をあげて、同僚を見やると、その視線は、既に次の人に向かっており、Tさんの挨拶は、同僚の背中に小さく虚しく響いただけでした。

少し寂しく思ったTさんでしたが、自分もスマートフォンを見ながら人の話を聞いたり、挨拶をしたりすることがあったことを思い出したのです。

挨拶や返事は、よそ見をして行なうより、しっかりと顔を向けたほうが、相手への関心の高さを示しやすくなるでしょう。

相手の投げかける言葉に視線を伴わせることで、その人に対する印象はさらに良くなり、コミュニケーションも円滑になるのではないでしょうか。

日常の何気ない生活を整えて、より良い人間関係を築きたいものです。

今日の心がけ◆相手を見て話しましょう

                   (出典:職場の教養 2023年9月号)


◼️会社を辞めない起業家に向けて

「視線を向ける」というエピソードは、一見些細な行動の力を鮮明に示しています。私が起業家として長い間学んできた多くの教訓の中でも、このような「小さな気配り」がビジネスの成功に不可欠であると確信しています。

会社を辞めずに起業を考えているビジネスパーソンにとって、このエピソードは特に重要です。なぜなら、新しい事業を始める過程で求められるのは、新規顧客やパートナーとの人間関係の構築です。それは、まさに視線をしっかりと相手に向け、心を込めてコミュニケーションを取ることから始まります。相手を大切に思い、その表れとして視線や挨拶を真剣に行うことで、相手も自分に投資してくれる可能性が高まります。

Tさんのように、多忙で気が散りがちな状況でも、その「一瞬の視線」が人と人との信頼を築く基盤となるのです。忙しさにかまけて他人の存在を見過ごすようなことがあれば、それは事業にも同様に影響するでしょう。視線を向けること、つまりは「集中と尊重」は、顧客に対しても、ビジネスパートナーに対しても、そして自分自身に対しても、非常に重要な要素です。

さらに、視線をしっかりと相手に向けることは、一人ひとりに限られた時間とエネルギーを最も効果的に使う方法でもあります。会社勤めを続けながらの起業は、時間とエネルギーが非常に限られるため、その限りあるリソースを「何に使うのか」が成功の鍵を握ります。

このエピソードを通じて、日々の挨拶一つ、一瞬の視線一つに意識を向けることの重要性を感じてください。その積み重ねが、大きな成功へと繋がる第一歩です。会社を辞めずに起業を考えているあなた、今この瞬間からでも遅くはありません。視線をしっかりと向け、その先にある未来へ一歩踏み出しましょう。おそらく、その一歩があなた自身、そしてあなたのビジネスを大きく前進させる力となるでしょう。

◼️今日のおすすめの一冊

本日おすすめしたい一冊としては、デール・カーネギーの『人を動かす』(原題:”How to Win Friends and Influence People”)が挙げられます。この書籍は1936年に初版が出版されて以来、世界中で広く読まれている名著です。

本書は人々とのコミュニケーションや関係性の構築に関する非常に基本的かつ効果的な原則を提供しています。特に、他人に対する敬意や優れたコミュニケーションスキルがビジネスでの成功にどれだけ影響するかを、具体的なエピソードを交えて解説しています。

“視線を向ける”というエピソードにも共通するテーマ性が多く、日常の小さな行動や態度が人間関係に与える影響、そしてそれが最終的にビジネスにどう反映されるかという点について、深い洞察を得ることができます。

会社を辞めずに起業を考えているビジネスパーソンにとって、コミュニケーション能力は必須です。パートナーシップの形成、顧客とのリレーション構築、チームメンバーとの協調性など、多くの場面で人間関係が成果に直結します。この本を読めば、相手に対する視線や言葉だけでなく、行動や態度全体にわたるコミュニケーションのスキルを高めるヒントを得ることができるでしょう。

一冊の本が人生やビジネスを180度変えることは稀ですが、しかし、その第一歩として非常に有用な知見を提供してくれる本です。ぜひ、この機会に手に取ってみてください。

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