8月24日(木) 質問への答え方

質問への答え方

何かを質問されたとして、その問いに対して明確に答えるのではなく、曖昧な言葉で答えを示唆(しさ)するに留まることはありませんか。

例えば、「この仕事を今日中に終わらせることはできますか?」という問いかけに対して、「会議がいくつかありまして」と答えるようなケースです。この場合、「できない」ことを直接伝えるのではなく、間接的に表現しています。

答える側は、〈これで分かってくれるだろう〉と感じているのかもしれません。しかし、質問をした側には、「会議がいくつかある」→「今日中に終えることができない」というように、答えを得るための段階を踏む負担が生じます。

職場においては情報伝達を間接的な表現で曖昧にするよりも、明確に答えたほうが好ましいでしょう。先の例では、「今日中は難しいです」というように、はっきりと結論を伝えると質問者への負担が軽減されます。

親しい間柄では、情報伝達が曖昧になりがちです。自分の言葉が不明瞭なものになっていないかチェックしたいものです。

今日の心がけ◆明確に伝えましょう
(出典:職場の教養 2023年8月号)



◼️会社を辞めない起業家に向けて

私も過去に会社員として多くの人とのコミュニケーションをとりながら仕事を進めてきた経験があります。その中で、明確なコミュニケーションの価値と必要性を痛感しました。

起業家としての道を歩む皆さん、情熱やアイディアだけでビジネスを成功させるのは難しいと理解してください。特に、新しいビジネスを立ち上げる際には、「曖昧な答え」が大きな障害となることが多いです。明確なコミュニケーションは新しいチームや顧客、そしてパートナーとの信頼関係を築くための土台となります。

もちろん、すべての質問に即答できるわけではありません。そして、そのような状況でも「わからない」とはっきり伝えることが求められます。この誠実な態度が、長期的な信頼関係を築くための礎となるのです。

スタートアップの初期段階での誤解やミスコミュニケーションは致命的です。小さな誤解が大きな問題に発展することもあれば、組織内の摩擦や顧客とのトラブルの原因となることもあります。

VUCAの時代、正解のない時代においても、私たち起業家は、事実から帰納的に考え、自分の中に明確な最適解やビジョンを持ち、それを他者にしっかりと伝えることが必要です。

そして、会社を辞めずに起業を考えているあなたへ。真摯なコミュニケーションはビジネス成功の鍵です。勇気を持ち、明確な答えを追い求めながら新しい道を進んでください。あなたの勇気と情熱は、きっと世界を変える力となるはずです。前進し続けましょう。



◼️今日のおすすめの一冊

コミュニケーションの極意「Never Split the Difference」

ビジネスシーンでのコミュニケーションは、しばしば交渉の連続です。クリアな答えを持つことの重要性、明確な意思表示の大切さを理解する中で、一冊の必読書をご紹介します。

『逆転交渉術 まずは「ノー」を引き出せ』原題:Never Split the Difference: Negotiating As If Your Life Depended On It
この本は、元FBI人質救出交渉人であるChris Vossが著した交渉術のバイブル。彼の実体験をもとに、相手との誤解を避け、明確な答えを引き出すテクニックが豊富に解説されています。

「質問への答え方」での曖昧さは、ビジネスの障害となり得ますが、この本を通して磨かれる交渉スキルは、その障害を乗り越えるための強力な武器となるでしょう。

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