8月15日(火) 戦地からの手紙
戦地からの手紙
目の前の仕事に一生懸命になっていると、周りのことに目が向けられず、心配りを忘れてしまうことがあります。また、仕事に集中するあまり、家庭のことがおろそかになってしまうことがあるかもしれません。
昭和の大戦末期、防衛の重要拠点であった硫黄島の部隊を統率したのは栗林忠道中将でした。栗林中将は絶え間ない空襲にさらされている状況下、労役に服す妻に宛てて手紙を送りました。
「火薬の袋張りは容易の仕事じゃないらしいね。さぞ肩も張る事だろう。ほんとにお察しする。しかしあまり無理しないがいいでしょう」
当初5日で落ちると言われていた硫黄島は、栗林中将の細やかな心配りと周到な戦略、統率力により36日に亘って持ちこたえたそうです。
戦中と現代の日常を照らし合わせることは難しいものですが、どのような時でも自分の仕事ばかりにとらわれるのではなく、自分を支えてくれる人や関わる人の心中をくみ取るよう努力したいものです。
今日の心がけ◆周囲に心を配りましょう
(出典:職場の教養 2023年8月号)
◼️会社を辞めない起業家に向けて
起業家としての視点から言わせていただくと、『戦地からの手紙』のエピソードは、リーダーシップと人間性の重要性を象徴しています。ビジネスの世界でも、日々の業務に追われ、焦点を絞りすぎてしまうことは少なくありません。しかし、本当に価値のあるものを築き上げるためには、自分の仕事だけでなく、関わるすべての人々の気持ちや状況を考慮し、それに対する感謝や心配りを常に持ち続ける必要があります。
栗林中将の行動は、真のリーダーが持つべき特質を教えてくれます。それは、目の前の状況に集中するだけでなく、遠く離れた場所にいる家族や仲間のことを心から思いやることができることです。このような姿勢は、起業家としての長い道のりで必要とされるものであり、スタートアップを成功に導くキーとなります。
会社を辞めずに起業を考えている皆さんへ、私からのアドバイスは、ビジネスの目的や方針を持つことはもちろん重要ですが、それと同じくらい、関わるすべての人々への感謝と心配りを忘れないようにしましょう。それが、ビジネスの成功をもたらすだけでなく、人生を豊かにする秘訣です。どんな状況でも、周囲の人々との関係性を大切にしながら、果敢に挑戦してください。あなたの夢は、必ず実現します。行動を起こすことの大切さを忘れず、前進し続けてください!
◼️今日のおすすめの一冊
今日のエピソードを踏まえたおすすめの一冊として、『人を動かす』(原題: “How to Win Friends and Influence People”)を紹介します。この書籍は、1936年にデール・カーネギーによって発表され、ビジネスのみならず人間関係全般におけるコミュニケーションの重要性を教えてくれる古典的名著として知られています。
カーネギーの本は、他者との関係を築く上での基本的なアプローチや、他者を尊重し、共感を持って接することの重要性を解説しています。また、成功を収めるためには、自分だけの能力や努力よりも、他者との関係やチームの協力が必要であると強調しています。
『人を動かす』は、ビジネスの現場での人間関係やチームワークの向上だけでなく、日常の様々なシーンでのコミュニケーションの質を高めるためのヒントやテクニックが詰まっています。特に、人を思いやる心や感謝の気持ちを忘れずにビジネスを行うという観点から、学びを深めたい方々には、とても有益な一冊となるでしょう。
ページをシェアする