7月26日(水) お気に入りの石鹸

お気に入りの石鹸

何かを選択する際に、自分では最適だと思っていたことが、実はそう思い込んでいただけで、ほかにもっと良い選択肢があったということはあるものです。

Aさんは洗顔で用いる石鹸のことで悩んでいました。20年来〈自分の肌に合うのはこれだけ〉と思っていた石鹸が、生産終了になることを知ったのです。

これを機に、手に入りやすくもっと安価な別の商品を探し注文してみました。使ってみると、その石鹸でも肌は荒れず、問題はありませんでした。Aさんは、〈これで大丈夫なら、もっと早く試しておけばよかった〉と思ったそうです。

Aさんは、狭い選択肢の中から選んだもので満足し、20年以上、現状維持に甘んじていました。あらゆる場面で、ほんの少し視野を広げて別の可能性を探ることで、現状を改善できる場面は案外多いものです。

長く同じ環境にいると、改善点は気づきにくいものです。皆さんの職場でも、長い間「当たり前」とされていることで、実は機能不全に陥っているものがあるかもしれません。何事も新たな視点で見直すことが必要なのです。

今日の心がけ◆新たな可能性を試しましょう

(出典:職場の教養 2023年7月号)

◼️会社を辞めない起業家に向けて

「お気に入りの石鹸」のエピソードは、我々がどれだけ自分の慣れ親しんだルーチンに捉われてしまいがちであるかを、よく示していますね。

我々の視野は、しばしば狭く、特に長い間続けてきたことに対する視野は、容易には変わらないものです。これはビジネスの世界でも同様で、会社員として長い間働いてきた人々は、自社のやり方や文化、環境が「正しい」や「自然な」ものだと認識してしまいがちです。しかし、このエピソードが教えてくれるように、その認識は時として我々を閉塞感へと導きます。

起業を考えているあなたにとって、このエピソードは大きなヒントになるでしょう。それは、思い込みや既存のルーチンから自由になり、新たな視点を持つことの大切さを示しているからです。思い込みを手放すことで、まったく新しい可能性や解決策が見えてくるものです。

会社を辞めずに起業するという選択は、まさにこの新しい視点を取り入れ、自身の可能性を試す機会になります。恐れずにその一歩を踏み出し、既存のルーチンから解放された新たな視点で、ビジネスを展開してみてください。

そして覚えておいてください、同じ石鹸を使い続けることも一つの選択ですが、新しい石鹸を試すことで、意外なほど良い結果が得られるかもしれません。あなたがその一歩を踏み出すことで、思いもよらない新たな世界が広がることでしょう。

これからも困難に直面したときこそ、自身の視野を広げて、新たな可能性を模索しましょう。未知なる道を進む勇気と、新しい視点から事象を捉える力があなたを成功へと導きます。今日こそ、新たな可能性を試してみてください。あなたの起業への旅が、充実したものになることを心より願っています。

◼️今日のおすすめの一冊

今日のエピソードを踏まえ、私がお勧めしたい一冊は「リーンスタートアップ」です。エリック・リースによって書かれたこの本は、新しいアイデアやビジネスモデルを試すためのフレームワークを提供しています。

「リーンスタートアップ」の中心的な考え方は、「最小限の製品(MVP)」を作り、それを市場に投入し、顧客からのフィードバックを得て製品を改善することです。これは、思い込みから解放され、新たな視点で可能性を試すことの重要性を強調する「お気に入りの石鹸」のエピソードと非常に連携しています。

この方法論は、新たなビジネスを立ち上げる際に大きなリスクを取らずに、市場のニーズに応じた製品やサービスを開発するのに非常に役立ちます。会社を辞めずに起業を考えているビジネスパーソンにとって、この本は必読の一冊と言えるでしょう。

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