5月15日(月) 職場は人間道場

職場は人間道場

建設業を営むK氏は、従業員の育成について課題を抱えていました。

就業年数によって変化はあるものの、基本的な作業は変わらないものも多いのですが、実務経験によって磨かれた職人技は、専門的な知識の継承が上手くなされてないことがあったのです。

K氏自身も、社員一人ひとりのキャリアや能力を完全には把握できておらず、明確な教育体制が構築できていない状態でした。

何とかならないものかと考えたあげく、実務経験を見える形態にすることにしたのです。そのヒントになったのは日本の伝統芸能の落語でした。

落語の世界には「真打(しんうち)制度」があります。一人前になるためには前座見習い、前座、二つ目、真打と昇格していきます。この四段階評価を参考に、それぞれ色分けした小さなバッジをつけるようにしたのです。

その結果、上の者は下の者を育成することが明確になり、下の者は上の者から知識と技術を学ぶことで良好な人間関係が構築されていったのです。

今日の心がけ◆役割を明確にしましょう

                                                                                (出典:職場の教養 2023年5月号)

■経営者からの感想
職場環境を最適化し、従業員の能力を最大限に引き出すことは、企業の生産性を向上させる一方で、従業員満足度を向上させるという効果も導きます。

この例から学べることは、明確な評価システムと教育体制の導入が、職場の人間関係と生産性に対して強く影響するという事実です。

その背景には、従業員のモチベーションと組織的な教育の重要性があります。

ギャラップの調査によれば、明確な目標と期待値を持つ従業員の生産性は、そうでない従業員に比べて約20%高いとされています(”State of the Global Workplace” Report, Gallup, 2017)。

しかし、K氏の建設業会社のように、これらの要素が不明確である場合、従業員の能力が十分に発揮されず、その結果、会社全体のパフォーマンスが低下する可能性があります。

具体的には、K氏が採用した落語の「真打制度」を参考にした評価システムの導入は、その効果を実証しています。このシステムにより、従業員のキャリアパスが明確になり、また、高位の従業員が下位の従業員を育成する役割がはっきりした結果、人間関係の改善と共に生産性も向上しました。

これらの事実を踏まえると、明確な評価システムと教育体制の導入が、組織の生産性と従業員満足度を向上させる重要な要素であると再確認できます。

よって、読者の皆さんの組織においても、従業員の能力を最大限に引き出すため、そして良好な人間関係を構築するために、明確な評価と教育のフレームワークを導入し、維持することを強く推奨します。

職場は人間道場、そしてリーダーの私たち自身は、その道場の先生でもあり、指導者でもあることを忘れないように行動していきましょう。

本日も上記エピソードを踏まえ、効果的な組織構築方法や人材育成、評価システムについて深く理解するためのお勧め書籍を、3冊ご紹介致します。

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか  ダニエル・ピンク著

ダニエル・ピンクはこの書籍で、内発的な動機付けがいかに重要であるか、そして従業員が最も生産的になるためにはどういった環境を提供するべきかを探求しています。

学習する組織 ― システム思考で未来を創造する ピーター・センゲ著

ピーター・センゲはこの書籍で、学習する組織の重要性を説き、組織が持続的な成長と変革を達成するために必要な5つの「規律」を詳述しています。

天才はディープ・プラクティスと1万時間の法則でつくられる  ダニエル・コイル 

ダニエル・コイルは、人々が才能を最大限に発揮する方法と、そのプロセスを強化するための指導法について探求しています。

以上の3冊は、組織の構築、人材育成、そして評価システム、更にリーダーシップ、組織の人間関係についての理解を深めるのに役立ちます。

会社を辞めない起業塾体験講座

受講者満足度4.7のご評価をいただいております.。起業したいけど1歩を踏み出す勇気がない方。どのようなビジネスで起業したらいいのかわからない方。趣味で起業したい人…