5月12日(金) 先輩から学ぶ
先輩から学ぶ
運送会社に入社したMさん。見習い期間中は、先輩社員のAさんのトラックに同乗し、配送ルートを覚えるために地図を見ることが仕事でした。
助手席では、ただ地図を見ていればいいわけではありません。トラックが右折する際は左方の確認をし、バックする際は後方の安全確認をするなど、様々な役割があったのです。
また、帰社後はトラックを毎回洗車しました。当初Mさんは洗車のやり方が分からなかったので、Aさんがていねいに教えてくれました。
〈なぜ毎日洗車するのだろうか〉と思い、Aさんに聞いてみると「トラックが綺麗だと、運ぶ荷物の扱いもていねいになる。安全運転につながるし、見た目の綺麗さからお客様も安心するんだよ」と言われました。
〈確かにトラックが綺麗だと気持ちがいいし、荷物を大切に扱うようになるな〉と感じたMさん。日々Aさんが教えてくれたことを肝に銘じ、一所懸命に仕事をしています。
今日の心がけ◆アドバイスに耳を傾けましょう
(出典:職場の教養 2023年5月号)
■経営者からの感想
この物語は一見単純な見習いの体験に見えますが、実は日々の業務を通じての持続可能な品質向上と顧客満足度の確保、そして社員の成長を示しています。
これらは全てのビジネスリーダーが追求するべき目標です。
運送業界は非常に競争が激しく、サービスの品質と効率性は企業の生存に直結しています。
2017年のアメリカ運送統計局の調査では、顧客満足度が10%向上すると、企業の利益は12%増加するデータが出ています。
この物語で、Mさんは先輩のAさんから、配送ルートの学習だけでなく、安全確認の重要性やトラックの毎日の洗車という 、一見するとありふれた業務にも熱心に取り組むことで、品質と顧客満足度を高める手段を学んでいます。
毎日の洗車はトラックの状態を常にチェックする機会を提供し、早期に問題を発見して安全運転につなげることができます。
また、見た目の整ったトラックは顧客に対する企業のプロフェッショナリズムを体現し、顧客満足度の向上に寄与します。
このように、目の前の日常業務の中にも品質向上と顧客満足度を追求する機会は潜んでいます。
ビジネスリーダーとしては、Mさんのように学び、そしてAさんのように教え、日々の業務を通じて組織全体を高めることが求められます。
最後に、あなたがリーダーであれ、新入社員であれ、自分の周りを見渡し、日々の業務を通じてどのように成長し、自社を強化するかを考えてみてください。毎日の仕事はただのルーチンではなく、常に改善と成長のチャンスです。あなたの行動一つで、組織はより高いレベルに到達することができます。
本日のエピソードに関連するテーマとして、新入社員の成長、メンターシップ、品質管理、顧客満足度などが挙げられます。
それらのテーマに基づいて、以下3冊の書籍をおすすめします。
リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす エリック リース (著)
新しいアイデアや製品を効果的にテストし、顧客の要求に迅速に対応する方法を学べます。リーンスタートアップの原則は大企業や小企業、新入社員や経験豊富なビジネスリーダーにとっても有用です。
顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説 トニー・シェイ (著)
ZapposのCEOである著者が、顧客満足度と社員の幸福を中心にビジネスを構築する方法を紹介しています。品質と顧客満足度の追求に関心がある方におすすめです。
1兆ドルコーチ―シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アラン・イーグル (著)
この本はリーダーシップとメンターシップの価値を強調しています。それはAさんがMさんに示したような、新入社員への指導とその成長を支える役割です。キャンベルの教えは、リーダーがどのようにして組織とそのメンバーを高め、全体の生産性と効率を向上させるかについての深い洞察を提供します。
これらの書籍は、組織と個々の成長、顧客満足度の向上、そして日々の業務における品質保持といった主題に関する深い洞察を提供してくれています。