4月18日(火) 顔色を窺う

職場や家庭においてトラブルが起きた時、〈非難されるのではないか〉と相手の顔色を窺いつつ、会話をすることはないでしょうか。

そうした時、自分では普段と変わらず会話をしているつもりでも、実は意外と表現や態度、言葉にその時の心の状態が表れたりするものです。

ある日、Sさんは妻と会話をしていると「何か後ろめたいことでもあるの」と聞かれドキッとし、とっさに「特に何もないよ」と答えたのです

実は「仕事上の都合で、家族旅行の日程を変更してほしい」と相談するつもりでしたが、妻の一言で言えなくなってしまったのです。

Sさんの様子を見かねた妻から「何か言いたいことがあるんでしょ」と言われ、率直に伝えることができました。妻からは「そんなことか。もっと大変なことかと思ったわ」と言われ、妻に余計な心配をかけてしまったと反省したのでした。

相手の顔色を窺い、余計なことを考えると、結果的に遠回りになることがあります。何かを相談する際はハッキリと伝えるよう心がけたいものです。

(出典:職場の教養 2023年4月号)

今日の心がけ◆率直に相談しましょう

■経営者からの感想

相手の顔色を窺わず、明確かつ率直なコミュニケーションを心掛けることはとても重要です。

職場や家庭でのトラブルが発生した際、相手の顔色を窺ってしまうことがありますが、これが逆に効果的なコミュニケーションを妨げることがあります。実際、アメリカ心理学会によると、クリアでオープンなコミュニケーションが心理的ストレスを軽減し、人間関係の質を向上させると報告されています。さらに、Gallup(ギャラップ)が実施した調査では、オープンで率直なコミュニケーションが行われる職場では、従業員のエンゲージメントが最大で22%向上することが示されています。

Sさんのケースでは、家族旅行の日程変更を相談するつもりでいたのに、妻の顔色を窺いながら話す結果、余計な心配をかけてしまいました。しかし、最終的には率直に伝えることができ、問題が解決しました。

このように、相手の顔色を窺わずに率直なコミュニケーションを心掛けることが、効果的な人間関係を築く上で重要であることが分かります。

私たちもビジネスリーダーとして、率直でクリアなコミュニケーションの重要性を再認識し、改めて周囲にもその価値を伝えましょう。チームや組織の中での更なる積極的でオープンなコミュニケーションを促進し、仕事の効率や人間関係の質を更に向上させ、より大きな成果を生み出していきましょう。

今日のエピソードから紹介できるおすすめの書籍は、「人を動かす」です。この本は、デール・カーネギーによって書かれ、効果的なコミュニケーションや人間関係の構築に焦点を当てています。