10月13日(金) 式三献

『式三献』

私たちが日頃から何気なく使っている「数」には、単に数量を表わすだけでなく、伝統に基づいた意味が込められていることがあります。

和食の席では、まず初めに前菜から出され、次にお造り(刺身)、焼き物、蒸し物、揚げ物などが運ばれ、それらを食べ終わった後にご飯と香の物(お新香)、最後に季節の果物などで締めるというのが一般的な流れです。

この中で最初に出される前菜は、三種盛りであることが多く、室町時代の足利将軍家で行なわれた「式三献」という儀式に由来するといわれています。

「式三献」とは、祝いの宴に先立って催された儀式のことをいいます。まず一の杯に注がれた酒を主客より順に列席者が飲んでいきます。これを一献(いっこん)とし、二の杯、三の杯を順番に回し飲みして三献になります。

これは、仲間意識を高めることが目的だったといわれています。また、三という数字は縁起が良いとされ、お祝いの席に用いられてきました。そのほかの場面でも数に注目すると、日本人の知恵や伝統に触れることができるかもしれません。

今日の心がけ◆数に注目してみましょう                     (出典:職場の教養 2023年10月号)



◼️会社を辞めない起業家に向けて

「式三献」のエピソードは、私たちが日常的に遭遇する「数」の背後に隠された意味や伝統を再確認する機会として、非常に興味深いものです。起業を目指すビジネスパーソンにとっても、このようなエピソードは大いに参考になるでしょう。

和食の席での三種盛りや「式三献」に見られる「三」という数は、仲間意識を高める意味が込められていると伝えられています。この仲間意識とは、ビジネスの世界で言えば、チームの絆や連携、信頼関係を築くことの大切さを示唆していると言えるでしょう。

起業家としての道を歩むにあたって、何よりも大切なのは、信頼できる仲間やパートナーを見つけ、共にビジネスを築き上げることです。そして、そのためには、日々の業務の中での小さなコミュニケーションや取り組みの積み重ねが必要となります。

「式三献」のような伝統的な儀式や習慣を通じて、日本の先人たちは、人々の絆や信頼関係の重要性を教えてくれているのではないでしょうか。これは、現代のビジネスシーンにおいても変わることのない普遍的な真理であり、私たちにとっての貴重な教訓となります。

また、会社を辞めずに起業を目指すという選択は、安定した環境の中で新しいチャレンジを始めるという点で、非常に勇気のいる決断です。しかし、日本の伝統や文化には、新しいことを始める際のヒントや助言がたくさん隠されています。それらを学び、自分のビジネスに活かすことで、より強固な経営基盤を築くことができるでしょう。

最後に、会社を辞めずに起業を検討しているビジネスパーソンの皆様へ。伝統や文化を胸に、新しい道を切り開く勇気を持ち続けてください。そして、信頼できる仲間とともに、未来への一歩を踏み出してみましょう。その一歩が、次の大きな飛躍への始まりとなることを、心から願っています。

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