8月7日(月) 伝える場面

伝える場面

相手に「伝えたいこと」を話したとしても、相手が理解していなければ、本当の意味で伝えたことにはなりません。

実際、相手に言葉を届けただけで「きちんと伝わった」と勘違いしている人がいます。その結果、相手が正しく理解していないことによって、トラブルを引き起こし、最終的に「言った・言ってない」の水掛け論に発展します。

中国の儒学者・楊時の言葉に「言(げん)は簡なるをもって貴(とうと)しと為す」というものがあります。これは「言葉は簡潔に表現するのが好ましい」という意味です。

相手の立場になって、分かりやすい言葉を使って簡潔に話をすることで、相手がより理解しやすくなります。また、自分が「伝えたいこと」を自分自身がきちんと理解していないと、相手に伝わる表現はできません。

仕事でも日常生活でも、「伝える」場面が多くありますが、その際にどうすればきちんと伝わるのかを考える必要があります。より伝わりやすくするためにも、話し方や言葉の選び方などを工夫していきましょう。

今日の心がけ◆相手に伝わる話し方をしましょう
(出典:職場の教養 2023年8月号)

◼️会社を辞めない起業家に向けて

『伝える場面』のエピソードは、ビジネスにおけるコミュニケーションの根本的な価値が見事に描かれています。我々、起業家、そして全てのビジネスパーソンの使命は、ただ相手に理解してもらうだけでなく、具体的な行動を引き起こすことです。それを達成するためには、相手の行動に影響を与えるような伝達手段が求められます。

「伝えたいこと」を伝えて、相手がその意図通りに動いてくれていなければ、それは伝わっていないと判断し、自分の伝え方を見直す必要があります。これはビジネスシーンだけでなく、私たちの生活のあらゆる面でも重要な考え方です。

楊時の言葉、「言は簡なるをもって貴しと為す」は、この概念を象徴しています。つまり、言葉を簡潔に、明瞭にし、そして自分が理解していることを伝えることが大切であるということです。

あなたが伝えたいことに関して、まず自らの言葉で言語化する。そして伝えたい相手に対して、どのような伝え方をすれば、腹落ちするかを考えて、仮説を出してやってみることです。これはあなた自身のビジネス、そしてあなた自身の起業への道を示すものとなります。

なぜか。それは、起業とは本質的に「自分の思いやビジョンを他人に伝え、その価値を認めてもらい、それによって動いてもらう」活動だからです。

起業を考えているあなたが、伝えたいことを自分自身で明確に言語化することは、その思いやビジョンを理解し、それをビジネスの形にする初めの一歩となります。そして、それを相手にどのように伝えれば理解してもらい、動いてもらえるのかを考えることで、自身のビジネス戦略やマーケティング戦略を組み立てることに繋がります。

会社を辞めずに起業を考えているあなたへ、私からのメッセージはこれです。あなたが伝えたい世界を、自らの手で創り上げることができます。その一歩を踏み出す勇気を持ち、自らのビジョンを実現させてください。あなたの言語化が新たな世界を切り開く鍵を握っています。

◼️今日のおすすめの一冊

あなたが伝えたいメッセージや自分自身のビジョンを言語化し、それを他人に伝えることの重要性についてより深く学びたいと考えているようであれば、『アイデアのちから』という本をお勧めします。

この本は、アメリカの大学教授であるチップ・ハースとダン・ハースの兄弟によって書かれたもので、アイデアや情報が人々にとって「魅力的で理解しやすく、記憶に残り、説得力がある」ためには、どのように伝えるべきかについて述べられています。特に、成功したアイデアの共通点を「SUCCESs」という6つの原則にまとめており、それらを使って自分のアイデアを伝えるための具体的な方法を提供しています。

起業を目指すビジネスパーソンにとって、この本は自分のビジョンやアイデアを他人に効果的に伝えるためのツールとなります。そして、会社を辞めずに起業をしようと考えているあなたにとって、このツールは新しいビジネスを構築し、相手にその価値を認識してもらう上で非常に役立つことでしょう。

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