7月8日(土) 宵越しの金は持たず

宵越(よいご)しの金は持たず

「宵越しの金は持たず」は江戸庶民の生活から生まれた言葉といわれています。

宵越しとは、一夜を経ること、次の日まで持ち越すことです。その日1日生活するだけのお金があれば十分、という江戸っ子のいさぎよい気性が感じられます。

江戸に住む庶民は、ほとんどが現在でいう集合住宅である長屋で暮らしていました。長屋は木造で、いったん火事となれば、隣近所に燃え移りました。

火災の多い江戸では、立派な家や家財道具など、資産を貯め込んでも持って逃げられなかった事情もあり、このような考えが定着したようです。

多発する火事に備え、消防組織は多くの人が従事しました。町人によって組織された町火消(まちびじけし)、武士によって組織された武家火消(ぶけびけし)とあり、さらに武家火消は幕府直轄の定火消と、大名の命じる大名火消が存在したと記録されています。

また、裕福な商人は頑丈な土蔵を設け、千両箱や家宝、米、味噌、醤油などを守り、災害に見舞われたときには、街の復興のために拠出していました。それぞれが助け合いながら、逞しく、生活を営んでいたようです。

今日の心がけ◆助け合いの精神を育みましょう

(出典:職場の教養 2023年7月号)


◼️会社を辞めない起業家に向けて

この「宵越しの金は持たず」という教訓には、大切なメッセージが詰まっています。それは現代のビジネスパーソンや起業家たちにとっても非常に有益なメッセージです。これは、過度に未来を憂慮して、今日を生きる楽しさや可能性を逃すべきではないという意味合いを持つと解釈できます。

その日その日で稼いだ利益全てを未来に賭けるのではなく、それぞれの日を充実させ、その瞬間瞬間に最善を尽くすべきだという教訓です。同時に、困難が起きた時にはコミュニティの力を借り、また、自分が力を持つ時にはコミュニティに貢献することの大切さを教えてくれます。

会社を辞めずに起業をしようと考えているあなたにとって、このエピソードは現代のビジネス環境に照らしても、一歩一歩を大切に進んでいく姿勢、そして互いに助け合うコミュニティの価値を再認識させてくれるでしょう。

無理に大きな一歩を踏み出すのではなく、可能性を信じて一歩一歩着実に前進し、同時に互いに助け合い、困難を共有することで、あなたのビジョンは現実のものとなり、新たなチャンスが広がることでしょう。

そして、覚えておいてください。「宵越しの金は持たず」、つまり、あなたが今日達成できることに全力を注ぎ、全力で取り組むことこそが、あなたのビジネスの成長へと繋がる原動力となります。各々の一日一日を大切に、今日を生きることで、明日の成功を手繰り寄せていきましょう。あなたの勇気と行動力が、未来を創造する力となります。

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