7月29日(土)　真似る

真似る

入社8年目のFさんは、今まで経験のなかった業務を任されることが多くなっていました。

最初は自分で考えて取り組んでいましたが、成果の出ない日々に自信をなくしかけていました。そんなFさんに、先輩が次のようなアドバイスをくれたのです。

「経験したことのないことにいきなり取り組んでも、成功する可能性は低い。まずは、先輩や上司のやり方を観察することから始めるといいよ」

そこでFさんは、闇雲に行なうのではなく、周囲の仕事の進め方を観察し、疑問点はすぐに聞くことを意識するようになりました。

先輩たちの段取りや資料作りの方法は自分とは異なりましたが、ひとまずはそれらを真似て行なうことにしました。すると、成果が出始め、今ではそのやり方の意味を理解でき、有効性を実感しているそうです。

学ぶことは誰かを真似ることから始まります。上手くいかない時は人の取り組み方を取り入れてみるのもいいでしょう。

今日の心がけ◆相手から学びましょう
（出典：職場の教養 2023年7月号）

◼️会社を辞めない起業家に向けて

このエピソードは非常に深い洞察を与えてくれますね。起業を考えている皆さんにとって、ここに描かれているFさんの経験は非常に重要な示唆を持っています。

Fさんが経験した挑戦は、起業の世界で我々が常に直面するものです。我々は新しい領域に足を踏み入れ、経験したことのない問題に立ち向かわなければなりません。最初から全てを自分で考え、全てを自力で解決することは、時には非常に困難であり、また非効率的です。

その点で、先輩からのアドバイスは重要なヒントを提供します。「まずは、先輩や上司のやり方を観察することから始めるといいよ」という言葉は、新しいことに取り組む起業家たちにとって非常に重要です。それは他の成功した起業家のアプローチを学び、適応し、それを自分のビジネスに活かすことを意味します。成功の軌跡を辿ることで、自分たちのビジネスも成長させることが可能です。

また、「学ぶことは誰かを真似ることから始まります」という一節は、新たな視点や新たなアイデアを探求することの大切さを示しています。起業の世界では、真新しさと創造性が求められますが、それはすべてをゼロから生み出すことを意味するわけではありません。既存のアイデアを参考にし、それを自分のものにすることで、自分自身のビジネスモデルを発展させることができます。

だからこそ、あなたが現在の仕事を辞める前に起業を考えているなら、まずは身近な成功者から学び、その経験や知識を自分のものにすることから始めてみてください。自分自身のビジネスに役立てるために、彼らの成功の秘訣を真似してみましょう。あなたがその道を歩き始めるとき、その知識と経験はきっと強力な武器となるでしょう。そして、その学びから始まるあなたの起業の旅が、あなた自身と世界にとっての新たな価値を生み出すことを期待しています。行動を起こし、自分自身の可能性を信じて進んでください。あなたの成功は、既に始まっているのですから。

◼️今日のおすすめの一冊

「ゼロ・トゥ・ワン 」（著者：ピーター・ティール）を強くお勧めします。この本は、起業家としての思考法やビジネスの進め方について、一貫性と深みを持って解説しています。

著者のピーター・ティールは、PayPalの共同創業者であり、Facebookの初期投資家としても知られる著名な起業家・投資家です。彼の独自の視点と深遠な洞察は、新しいビジネスを創造し、既存の市場に挑戦する意欲を持つ全ての人々にとって有益なものとなるでしょう。

ティールは、成功する起業家の特性として「0から1への思考」を挙げています。つまり、既存のものをコピーする（1からnへの増加）ではなく、全く新しい何かを創造する（0から1への創造）ことの重要性を強調しています。これは、既存の成功を模倣することから学ぶことの重要性を述べた上記のエピソードとは一見矛盾しているように見えますが、これらは実際には補完的な関係にあります。他人の成功を学びつつ、自分だけの独自の価値を創造するバランスが求められます。

「ゼロ・トゥ・ワン」は、ビジネスの世界で何が重要なのか、何を優先すべきなのかについての理解を深めるための素晴らしいガイドとなるでしょう。そして、その知識と洞察があなたの起業の旅における価値ある一歩となることを期待しています。