6月2日(金) 見守る姿勢
見守る姿勢
6月を迎え、新入社員の皆さんも職場の雰囲気に馴染み、今まで以上に会社の期待に応えようと仕事に取り組まれていることでしょう。
そうした新入社員のひたむきな姿勢が先輩社員に伝わると、お互いの仕事に対するモチベーションアップや職場内のチームワーク向上にもつながり、さらなる職場の活性化といった相乗効果をもたらすことができるでしょう。
しかし一方で、新しい環境に身を置き、緊張が続いた新入社員は、この時期は心身に、大きな負荷がかかることもあるようです。
例えば、「これまで積極的に発言していた新入社員の口数が少なくなった」、「些細なミスが増えている」といったことが見られたら、それは、新入社員が発する危険な信号なのかもしれません。
そうした危険信号を見逃さないためにも、職場の上司や先輩たちは、日頃から新入社員の何気ない言動に気を配り、心身両面のサポートをしっかりと行なっていきたいものです。
今日の心がけ◆相手の言動に気を配りましょう
（出典：職場の教養 2023年6月号）
今日のエピソードを読み強く感じるのは、組織の成果と人材育成の両方を達成するためには、リーダー自身がメンバーを的確に支援し、その成長を見守るスタンスが不可欠だということです。
まず、リーダーの役割は、単に組織の成果創出だけでなく、人材の育成にもあります。
新入社員のような能力の浅いメンバーがいても、「意欲」を持って業務に取り組む姿勢が見受けられる場合、それはその人の成長を見越した行動であり、組織の持続的な成果につながる可能性を秘めています。
しかし、その「意欲」が枯渇する、または燃え尽きると、成果も人材育成も阻害される可能性が高くなります。
そのため、リーダーは「見守る姿勢」を持つと同時に、支援の方法も多角的に考えるべきです。
具体的には、「業務支援」を通じて具体的な課題解決を促すだけでなく、「内省支援」や「精神支援」を通じて心身の状態を考慮した支援を行うべきです。
例えば、一見意欲的に働く新入社員でも、口数が少なくなったり、些細なミスが増えたりする様子が見られた場合、それは心身のバランスが崩れつつある信号であり、そのタイミングで適切な支援を行うことが求められます。
そして、この「見守る姿勢」とは、単なる受動的な観察ではなく、新入社員が自律的に成果創出と成長に向けた挑戦を続けることができ、かつ燃え尽きないように、メンバーの状況を見続け、適切なタイミングで、適切な支援を行う能力をも指します。
結論として、『見守る姿勢』は、リーダーが持つべき重要な視点であり、これこれを適切に実行することで、組織の持続的な成果創出と人材育成の双方を達成する可能性が高まります。
今日からでも、あなたもこの「見守る姿勢」を意識してみてください。
あなたのメンバーが心身ともに健康で、より良いパフォーマンスを発揮できるよう、適切なサポートを提供することで、組織全体の成果と人材育成のバランスを保つことができます。
今日のエピソードを踏まえたおすすめの3冊をご紹介します。
- 「リーダーを育てる会社 つぶす会社 グロービス選書」
この本では、組織の成功と人材育成におけるリーダーシップの役割を深く探求します。『見守る姿勢』を持つリーダーのあり方を通して、新入社員からベテラン社員までの人材を育て、組織全体の成果を向上させる方法を紹介します。また、逆に人材を疲弊させ、組織を窮地に陥れるリーダーシップの姿勢も明示し、比較することで、真のリーダーシップの重要性を認識できます。 - 「モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか」
「モチベーション3.0」では、メンバーの内発的なモチベーションを引き出すリーダーシップの在り方を探ります。新入社員の「意欲」を燃え尽きさせず、持続可能な「やる気」を引き出すための具体的な方法を紹介します。リーダーが『見守る姿勢』を持つことで、メンバーの心と体の状態を把握し、適切なタイミングでサポートを提供することの重要性にも焦点を当てています。 - 「職場のウェルビーイングを高める 1億人のデータが導く「しなやかなチーム」の共通項」
この本では、大量のデータを基に、「しなやかなチーム」が持つ共通の特徴を明らかにします。その中心には、「見守る姿勢」を持つリーダーの存在があります。心と体の両方からメンバーのウェルビーイングを高め、持続可能な成果を創出するための研究成果を詳細に解説します。リーダーが適切な支援を提供することで、チームがどのように成長し、組織全体のパフォーマンスがどのように向上するかを理解することができます。
