6月17日(土) 握手

握手

ある時、Aさんは夫婦関係を良好に保つ秘訣として、出勤時に夫婦で握手をすることを知人から勧められました。

〈やればきっと、さらに夫婦仲が良くなるのだろうな〉と思う一方で、〈決して夫婦仲が悪いわけではない〉〈妻は喜ばないかもしれない〉〈拒否されたらどうしよう〉と消極的な考えも浮かんできました。

思いを巡らせた結果、〈まずはやってみよう〉と決意し、翌朝、出勤前に手を差し出しました。すると不思議な顔をしながらも、手を握ってくれたのです。自然とお互いが笑顔になっていました。

毎朝、握手を続けているうちに、Aさんは妻へ労いの言葉をかけるようになり、妻もAさんが夜遅く帰ってきても、起きて待っていてくれるようになったのです。

普段と異なる行ないには、不安を感じることもあるでしょう。しかし、状況を悪くしようと思って物事を変えようとする人はいません。失敗したときには修正することもできます。良いと思ったことは、まず実行してみたいものです。

今日の心がけ◆まずやってみましょう

                                                                                (出典:職場の教養 2023年6月号)

■経営者からの感想

このエピソードは、ビジネスリーダーとしての視点から見ても多くの洞察を私たちに提供してくれます。まず第一に、新しい試みを行う勇気が重要であることが強調されています。Aさんは自己課題や恐れを超えて、新たな行為 – 握手 – を試みました。そしてそれが夫婦間の絆を深め、お互いの理解を進めるキャタリスト(触媒)となったことは非常に教訓的です。

ビジネスの世界でも、新しいアイデアや方法を試すことは必要不可欠です。それが失敗するかもしれないという恐れから革新を避けてしまうと、固定観念にとらわれたままで進歩する機会を逃すことになります。Aさんのように、予想外の成果が得られる可能性を秘めた新たなアプローチを受け入れ、挑戦することが大切です。

また、このエピソードからは、細かい行為が大きな影響を及ぼすことを学びます。握手という一見些細な行為が、互いの理解を深め、感謝の意を示し、絆を強めるための道具となりました。ビジネスでも、個々の行動が組織全体の雰囲気や成果に影響を及ぼすことを忘れてはなりません。

さて、皆さんも今日から何か新しいことに挑戦してみてはいかがでしょうか。それは新たな戦略の導入かもしれませんし、部下への感謝の言葉かもしれません。思い立ったら即行動を起こしましょう。

今日のエピソードを踏まえたおすすめの書籍をご紹介します。

「マインドセット」  キャロル・S・ドゥエック 著

この本はスタンフォード大学の心理学者キャロル・S・ドゥエック博士によるもので、”成長思考”と”固定思考”の2つのマインドセットを提唱しています。これは挑戦することや失敗から学ぶことの重要性、そして自己の能力を信じて困難を乗り越えることの大切さを教えてくれる1冊です。

「ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣」 ジェームズ・クリアー 著

この本は、小さな日々の習慣がどれほど大きな影響を及ぼすかを説明しています。小さな変化を繰り返し行うことで、それがどのように大きな成果につながるのかを理解するのに役立ちます。

以上の書籍は、新しいことを試す勇気、小さな行動がもたらす大きな影響、そして自身の成長と進歩に対する継続的な挑戦といったテーマを探求しており、ビジネスリーダーだけでなく、自己成長や変革を求めるすべての人々にとって有用であると思います。

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