2月3日(土) 我流とマニュアル

我流とマニュアル

取引先との契約、社内の規程、業務マニュアル等、私たちが仕事をする上では、様々なルールがあり、それを遵守することが求められます。

こうしたルールは、私たちの行動を縛る窮屈なものに思われがちです。他方では、仕事を効率的に、正しく進める道でもあります。

勤続10年のTさんは、事務職の中堅社員です。自分なりの進め方で、おおよその仕事をこなせるようになっていました。

しかし、ある日、仕事でミスをしてしまったことで、もう一度、自分の仕事の進め方を見直し、仕事の手順を基本のマニュアル通りに戻してみました。

基本に忠実に仕事をすると、意外にも進み具合が速く楽なことに驚きました。長年の経験の中には「我流」も多く、非効率だったことに気づかされたのです。

慣れた仕事は自分なりのやり方に流されてしまいがちです。マニュアルやルールには、それを正す役割があるともいえるでしょう。

培った経験を上手に活かして、良い仕事をしていきたいものです。

今日の心がけ◆自己流を見直しましょう
                   (出典:職場の教養 2024年2月号)



◼️起業を目指すあなたに向けて

『我流とマニュアル』というエピソードは、ビジネスの世界におけるルールと個人の裁量のバランスを見事に示しています。起業を目指す皆さんにとって、このエピソードから学べることは多いです。

マニュアルの存在意義は、単に業務の効率化や品質の平準化を図るためだけではありません。それによって、コンプライアンスの遵守が徹底され、組織全体の信頼性が高まります。一見すると、マニュアルは創造性や柔軟性を制限するかのように思えるかもしれませんが、実際には、確固たる基盤の上に立ってこそ、個々の能力を最大限に発揮できるのです。

しかし、マニュアルが固定不変のものであってはならないことも重要です。市場や技術の進化に伴い、ビジネスモデル自体が変わることもあります。そのため、マニュアルは常に最適化され、更新され続けるべきものです。「守破離」の精神を取り入れることで、従来の枠組みを守りつつ、必要に応じてそれを破り、最終的には新たな方法を創出することができます。これは、絶えず変化するビジネス環境において、柔軟性と創造性を保つために不可欠です。

起業を目指すビジネスパーソンにとって、このエピソードからの教訓は明確です。マニュアルやルールは、業務の効率化、品質の向上、そしてコンプライアンスの確保を目的として重要ですが、それらは静的なものではなく、進化し続けるものであるべきです。さらに、個々人の経験と知識を活かし、新たな価値を生み出すためには、「守破離」の考え方を取り入れることが重要です。

ビジネスの世界では、常に変化と適応が求められます。マニュアルに依存することなく、それを適宜更新し、自らの経験を活かしつつ、新しいアイデアや方法を追求することが、組織や個人の成長に繋がります。起業の旅は困難であるかもしれませんが、基本に忠実でありながらも、創造的で柔軟な思考を持つことで、多くの成果を上げることができるでしょう。改めて、これらの原則を胸に刻み、明日への一歩を踏み出しましょう。


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