2月12日(月) 人を育てる

人を育てる

中堅社員のAさんに初めて部下ができました。仕事を覚えきれない部下に対して、「早く仕事を覚えて」と伝えることが増えていきました。

その光景を見ていたAさんの先輩から「部下の至らないところばかり見ていないか」と指摘されたのです。仕事の効率や成果を重視しているAさんですが、自身の入社当時はどうだったのかと振り返りました。

新入社員だったAさんは仕事を覚えることに精一杯で、業務上の失敗も多く、途中で挫折しそうになったこともたくさんあったのです。

そんなAさんを支えてくれたのは、上司からの激励や助言でした。そのおかげで仕事を覚えることができ、成長につながったことに思い至ったのでした。

「角を矯(た)めて牛を殺す」ということわざがあります。これは、小さな欠点を直そうとして、かえって全体をだめにしてしまうというたとえです。Aさんは、欠点ばかりを見ずに、部下の良いところももっと見ていこうと心を新たにしました。

周囲の人の美点を見つける目を養いたいものです。

今日の心がけ◆他人の良いところを見つけましょう                  
                       (出典:職場の教養 2024年2月号)



◼️起業を目指すあなたに向けて

人を育てることの大切さをお伝えします。リーダーの役割には、大きく分けて2つあります。一つは、人や組織を動かして成果を出すこと。もう一つは、そのプロセスを通じて、人を育成することです。ビジネスの世界では、人の成長とは、以前はできなかったことができるようになる、つまり新たな能力やスキルを身につけることを意味します。

人が新たなことにチャレンジし、成長するためには、そのチャレンジの機会を与え、必要な支援を提供し、最終的には成果に導くことがリーダーの仕事です。このプロセスは、単に成果を出すこと以上の価値を持ちます。なぜなら、こうした経験を通じて、個人の能力はもちろん、組織全体の能力も向上するからです。

『人を育てる』のエピソードでは、中堅社員のAさんが、部下を育てる過程で自身も成長する姿が描かれています。Aさんは初め、部下の至らない点ばかりを指摘し、仕事を覚える速度を重視していました。しかし、先輩からの一言で、かつて自分が新入社員だった頃の苦労と、上司からの助けを得て乗り越えてきたことを思い出します。これにより、Aさんは部下の良い点にも目を向け、成長を支援することの重要性を再認識しました。

ビジネスにおいては、短期的な成果も重要ですが、長期的には人の成長が組織全体の発展につながります。失敗を恐れずに新しい挑戦を促し、その過程で支援と励ましを提供することが、リーダーに求められる資質です。

改めて、人を育てることの重要性を心に留め、それを実践することで、自身の成長とともに、組織全体を発展させていくことを目指しましょう。

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