8月17日(木) 語尾に表われた不安
語尾に表われた不安
先月より営業部に異動になったAさんは、先輩に同行し、初めてお客様の会社へ営業に行きました。
営業先でのAさんの製品を説明する様子を見ていた先輩から「語尾に『〜と思います』が多いね。相手を不安にさせないためにも、自社製品を自信をもってお勧めするようにしよう」とアドバイスされました。
〈商品知識の不足や自信のなさが表われてしまった〉と反省したAさんは、翌日から、自社製品の仕様や新機能の利便性をしっかり述べられるように、資料を何度も読み込みました。
また、他社製品との違いを確かめようと、自社と他社のいくつかの製品を自分で使ってみて特徴をまとめるなど、コツコツと努力を重ねたのです。
その結果、営業先で何を質問されても明確に答えられるようになり、契約につながる件数も増えていきました。
努力に裏打ちされた自信を得て、Aさんは生き生きと働いています。
今日の心がけ◆努力を重ねましょう
(出典:職場の教養 2023年8月号)
◼️会社を辞めない起業家に向けて
先輩起業家としての視点で、『語尾に表われた不安』のエピソードに感じたことをシェアしたいと思います。
このエピソードは、多くのビジネスパーソンが通る道だと感じます。私もかつてのスタートアップの初期段階で、似たような不安や緊張を感じたことがあります。Aさんが製品の説明中に語尾に「〜と思います」という表現を多用したのは、明らかに自信の欠如から来るものだったと思います。しかし、この「自信がない」という感覚は、「まだ準備ができる」というサインでもあります。準備が足りないからこそ、不安を感じるのです。
Aさんの反省から始まる一連の行動、それはまさに成長への第一歩です。自らの弱点を補うために商品知識を増やし、自社製品と他社製品の違いを熟知する努力を怠りませんでした。その結果、彼の営業のスキルは飛躍的に向上し、契約件数も増加しました。これは、努力の賜物であり、その努力を重ねたからこそ得られた自信の証左です。
会社を辞めずに起業を考えている皆さんへ。起業の道も、Aさんが経験したような不安や挑戦が待っています。しかし、その不安は「まだ準備ができる」というポジティブなサインです。どれだけの準備や努力が必要かは分かりませんが、確実に言えることは、その過程があなたの自信と成果に繋がることです。だから、躊躇せず、今、その一歩を踏み出してください。あなたの努力が、あなたのビジネスの成功を後押しするでしょう。
◼️今日のおすすめの一冊
読者の皆様に向けて、このエピソードや感想を受けて特におすすめしたい書籍は『マインドセット』 by キャロル・S・ドゥエックです。
この本では、人々の考え方が「固定思考」と「成長思考」の2つに大別されるというコンセプトを提唱しています。固定思考の人は、能力や資質は生まれつき決まっていると考え、挑戦や失敗を恐れる傾向があります。一方、成長思考の人は、努力や学びを通じて自分を成長させることができるとの信念を持っており、挑戦や失敗を成長の機会と捉えます。
Aさんのエピソードも、固定思考から成長思考へと移行する過程とも言えるでしょう。初めは自信のなさや不安を感じるかもしれませんが、その不安を克服し、努力と学びを重ねることで自身の成長を実感できるというメッセージが、この書籍にも込められています。
起業を考えるビジネスパーソンには、この「成長思考」を持つことが非常に重要です。新しいことに挑戦する際の不安や失敗への恐れを乗り越え、自分自身を成長させる道を歩んでいくための心構えや考え方を学ぶことができる一冊です。
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