5月29日(月) 鉛筆のなぞ

鉛筆の謎
 

ある日、宿題をしていた小学2年生の息子が、父親のAさんに「どうして鉛筆は紙に書くことができるの?」と質問してきました。
 

Aさんは小さい頃から鉛筆を当たり前のように使ってきましたが、思うように答えることができなかったのです。そこで〈なぜだろう?〉と思い、さっそく調べることにしました。
 

鉛筆の芯は、黒鉛の粘土で作られていて、粘土の量が多くなるにつれて芯は硬くなり、まぜる比率で、HやBなどの硬度が決まります。芯が紙に当たった所から少しずつくだけ、紙の繊維にくっつき、書くことができるとわかりました。
 

また、日本最古の鉛筆は、外国から徳川家康に献上されて使われたといわれています。本格的に日本で使われ始めたのは、青少年が平等に教育を受けられる仕組みを取り入れた明治維新以降で、量産を始めたのはその後です。
 

鉛筆の仕組みや歴史を知ったAさんは、鉛筆に対する見方が変わりました。そして、身近にある物の由来についても知っていこうと思ったのでした。

今日の心がけ◆物の由来を知りましょう

                                                                               (出典:職場の教養 2023年5月号)

■経営者からの感想

このエピソードは非常に啓発的であり、我々が日常的に使っているもの、当たり前のように考えていることに対する新しい視点を提供してくれます。

具体的には、鉛筆という普遍的な道具が、子どもの好奇心と父親の探求心を喚起し、私たちに多くの学びを与えてくれています。

ビジネスにおいても、このエピソードが示すように、何が当たり前で、何がなぜそうなっているのかを理解することは重要です。

我々は日々、自社の製品やサービスを顧客に提供することを常に追求しています。

しかし、その根底にある「なぜ?」という問いを立てることで、更なる新しい発見や機会が生まれます。

また、このエピソードは、物事の歴史や由来を理解することの価値を再認識させてくれます。それは、現在の状況や環境を理解するための鍵となり、より良い未来を築くための洞察を提供します。

このような視点から、「当たり前」のものに問いかけ、探求する姿勢は、ビジネスにおける新たな成長やイノベーションを生み出す鍵となります。

日常的に使うもの、目の前の問題について深く考え、調べ、理解することで、見えなかった可能性が見えてくるでしょう。

以下、本日のエピソードを踏まえたお勧めの3冊をご紹介いたします。

「いま、あなたに必要なのは答えじゃない。問いの力だ。」
岸良 裕司 著

この本は、人間関係やビジネスの課題を解決する力を持つ「問い」の重要性について語っています。著者の岸良裕司氏は、「問い」を立てることで人間の潜在能力を引き出し、新しい視点や可能性を見つけ出す力があると主張します。質問することが答えを得るだけでなく、深い理解や洞察をもたらすことを実例を交えて示しています。ビジネスリーダーだけでなく、多様な人々にとって役立つ1冊です。


「問いかける技術」エドガー・H・シャイン著

この本は、組織の運営やリーダーシップにおける「問いかける技術」に焦点を当てています。シャインは、質問する技術がリーダーにとって重要なスキルであると主張し、その実践方法を具体的に解説しています。リーダーが問いを立てることで、組織内のコミュニケーションが活性化し、より良い決定を下すことができると述べています。組織のリーダーシップに興味がある方におすすめの1冊です。

「クレイジーパワー」 ジョン・エルキントン 著

「クレイジーパワー」は、現状に満足せず、挑戦し続ける姿勢と、社会的・環境的課題解決のための創造力を奨励しています。エルキントンは、ビジネスと持続可能性を結びつけるための新たな視点を提供し、それがイノベーションを推進し、企業価値を高めることを示しています。

ビジネスリーダーだけでなく、社会問題に対する新たな解決策を求めているすべての人に、この本は大きな刺激を与えるでしょう。

これら3冊の書籍は、私たちが直面する課題に対する新たなアプローチを提案しています。「問い」の力、問いかける技術、そして挑戦と創造力の「クレイジーパワー」を武器に、あなたも自身のビジネスや日常の問題に新たな視点で取り組んでみてはいかがでしょうか。