5月27日(土) 呼吸一つで
呼吸一つで
私たちは毎日、「呼吸」をしながら生きています。心地よいと感じる呼吸の仕方を覚えると、仕事に対する集中力や充足感が高まることがあります。
ストレスを感じやすい人は、いつのまにか浅く速い呼吸になっていることが多いといいます。それは不安や緊張などのネガティブな感情によって、心と体をリラックスさせる副交感神経の働きが低下するためといわれています。
呼吸が浅い時は脳に届く酸素量が減少します。それがネガティブな感情を増幅させる原因となります。加えて心がより不安定になりやすく、自律神経のバランスが取りづらくなる等、悪循環に陥る可能性があります。
呼吸は自分でコントロールすることができます。呼吸が浅く速いと感じたら、意図的にゆっくりと深い呼吸を心がけると、全身に酸素が十分に回るようになり、ネガティブな思考が減って、心が整っていくことでしょう。
心身ともに健康に導く呼吸法は数多くあります。深い呼吸でパフォーマンスを上げて、仕事に臨みたいものです。
今日の心がけ◆深い呼吸を意識しましょう
（出典：職場の教養 2023年5月号）
■経営者からの感想
深く意識的な呼吸をすることが、私たちのパフォーマンスの向上に寄与するというのは、極めて重要なリソースと言えます。
この考えは、さまざまな研究でも裏付けられています。
たとえば、2017年の”International Journal of Yoga”に掲載された研究によると、深呼吸をすることで、心拍数や血圧が低下し、ストレスホルモンのコルチゾールレベルが低下すると報告されています。
また、2018年に”Frontiers in Psychology”で公開された研究でも、深呼吸が心理的ストレスや疲労感を軽減し、集中力を向上させるとの結果が示されました。
ビジネスの現場での事例としても、Googleが社員のウェルビーイングと生産性を向上させるために、深呼吸や瞑想のプログラムを導入したことが知られています。
その結果、従業員のストレスレベルが減少し、生産性が平均で20%向上したとの報告があります。
以上のように、深い呼吸は心身の健康に有益であるだけでなく、生産性の向上にも寄与します。
これら事実は、私たちビジネスリーダーが「深呼吸」を日常から効果的に活用する十分な理由となります。
「身心一如」という言葉がありますが、結局のところビジネスの現場においてもパフォーマンスを高めるためには、高度な技術力や戦略だけではなく、それを実現するための個々の心身の健康が非常に重要です。
そして、その心身の健康を維持するための一つの有効な手段が、深く意識的な呼吸であると言えます。
まずは、手始めにあなた自身の呼吸を意識することから始めてみてはいかがでしょうか。
それがあなたとあなたのチームのパフォーマンスを向上させる一歩となることでしょう。
本日のエピソードに関連する書籍を3冊ご紹介します。
Googleの元エンジニアで、Googleのマインドフルネスプログラム「Search Inside Yourself」の創設者でもあるChade-Meng Tanによる本書は、マインドフルネスと感情知性がビジネスパフォーマンスと幸せにどのように影響するかを探求します。
深呼吸とマインドフルネスが一体となって、仕事の成功と充実感をどのように促進するかについての洞察が得られます。
ブンデスリーガで活躍する、元日本代表長谷部誠さんのこちらの本も、呼吸法や心の状態をコントロールする方法についての貴重な洞察を提供しています。
この本では、長谷部誠さんがプロとしてのキャリアを通じて習得した、プレッシャー下でのパフォーマンスを最大化するためのメンタルとフィジカルの状態を整えるテクニックが紹介されています。特に彼が言及している「呼吸法」は、不安やストレスを和らげ、集中力を高めるための非常に効果的な手段であると認識されています。
Greg McKeown著のこの本は、私たちが自分の時間とエネルギーをどのように最適に使うべきかについての洞察を提供しています。
エッセンシャル思考とは、何が本当に重要であるかに焦点を絞り、それ以外の事柄には投資しないという考え方です。
つまり、より少ない事柄に投資してそれをより深く追求し、結果として高いパフォーマンスと充実感を得るという考え方です。
「呼吸」もまた、エッセンシャル思考と密接に関連しています。私たちが呼吸を深く、意識的に行うことで、心身の健康を保ち、集中力を向上させることができます。これは、エッセンシャル思考が目指す、真に重要な事柄に深く集中するための基盤です。
これらの書籍はそれぞれ、心と体のバランスを保つ方法や、呼吸が全体的なパフォーマンスとウェルビーイングに与える影響についての理解を深めるのに役立ちます。
