5月26日(金) 古典を味わう

古典を味わう

文学や絵画等の芸術作品の中で、長い年月を経てもなお、現代において多くの人に鑑賞されている作品のことを古典といいます。

長い年月の間に多くの人に愛され続け、現代まで生き残った古典には、時代を経ても飽きられない魅力があるということでしょう。

ただ、古典文学は古い時代に描かれているため内容が難しく、一度読むだけでは理解が深まらないことも多いので、繰り返し読むことが大切です。

英語学者の故・渡部昇一氏は、「繰り返して読むと、注意が内容の細かい所、面白い叙述の仕方にだんだん及んでゆく」と述べており、同じ本を反復して読む「精読」を勧めています。

小説や映画等、日々新たな芸術作品が生み出されていく中で、1度鑑賞した作品を再度見たり読んだりすることは、そう多くはないのではないでしょうか。

古典に手を伸ばすのが億劫な場合でも、過去に鑑賞して感動した作品を再度味わい、自分にとっての古典を見つけ、人生を充実させたいものです。

今日の心がけ◆古典の良さを見直しましょう

                                                                                (出典:職場の教養 2023年5月号)

■経営者からの感想

古典芸術作品の反復鑑賞と理解は、個々の感性と人生経験の向上に対して大いに価値がありますね。

古典に手を伸ばすことは、まさに時間を超えた知識と視点を獲得する一助となると考えます。

特に代表的な古典作品は、時を超えて受け継がれる普遍的なテーマと深い人間理解を探求しているものも多く、これらは、一回の閲覧や読解では十分に理解できないほどに多面的で複雑です。

そして、これは現代のVUCA時代における事業環境にも通じる考え方であると考えます。

例えば、伝説的なブランドであるコカ・コーラは、1886年に生まれて以来、その基本的なレシピとブランドイメージを保ち続け、その独特なブランディング戦略と古典的なマーケティング戦略により、現在でも全世界の飲料市場で圧倒的なシェアを保持しています。

古典の反復鑑賞と理解は、新たな視点を提供し、私たちが抱える現代の課題に対して有用な洞察をもたらす可能性があります。

そして、現代のビジネスリーダーとして、私たちは古典から学ぶことで、より深い理解と新たな視点を獲得し、事業環境の複雑さを解き明かす手段を手にする機会を得ることができます。

あなたも、新しい作品や情報に追われるだけでなく、古典作品にも目を向け、その普遍的な知識と視点を手に入れることを試みてください。

それは、あなたのビジネスリーダーとしての視野を広げ、豊かな人生経験を刺激する可能性があると確信しています。

以下に、今日のエピソードと感想を踏まえたお勧めの本を、3冊ご紹介します。

  1. 『7つの習慣』
    これは実践的な自己啓発とリーダーシップの本で、効果的な人々に共通する7つの習慣について説明しています。
    この本は、個人的な変化を通じて、プロフェッショナルな成果を達成する方法を提供しています。
    この本の中の古典的な原則は、個人とプロフェッショナルな観点から自己改善に取り組むための重要なガイドラインとなります。
  2. 人を動かす』
    この本は、人間関係を構築し、他人を影響力を持ってリードするための古典的なガイドです。
    カーネギーは、他人を理解し、尊重し、影響力を持って対話する方法について具体的なエピソードを交えて教えてくれています。
    これらの原則は、ビジネス、リーダーシップ、パーソナルな関係など、様々な対人関係の場面で、効果的な言動を行うために非常に役立ちます。
  3. 『ビジョナリーカンパニー2』
     ビジネスの世界で古典的な地位を持つこの本は、一流企業が優良企業から偉大な企業へと進化する過程を詳細に調査・分析しています。
    具体的な事例とともに、リーダーシップ、企業文化、戦略についての洞察を提供し、古典的なビジネス理論と、現代のリーダーシップの視点を結びつけることができるおすすめの1冊です。

これらの本の古典的な原理・原則は、時間を超越して価値を持ち続けています。

だからこそ、この3冊は私も何度も読み返していますが、毎回その都度の自分の状況に合わせた新たな視点が開かれるだけでなく、自分自身の行動や思考に対する更なる深い理解をもたらすきっかけとなっています。