5月20日(土) できることから

できることから

日常生活において、気持ちが昂(たかぶ)る、ワクワクするのはどんな時でしょうか。

それは、好きなことをしている時や仲のいい人と話す時など、人によって様々でしょう。こうした楽しい状況では、気力が満ちているはずです。

しかし、そういった状況は長い期間続くとは限りません。気分が落ち込み、元気が出ない時もあります。そうした状況から立ち直るためには、どのようなことをすべきでしょうか。

その一つは、今できることに取り組むことです。瞬時に環境や心を変えるのは簡単ではありません。だからこそ、どんなことでもよいので行動に移すことが変化のきっかけとなります。

例えば、落ち込んでいる時に運動をすると気分がスッキリしたという経験があるかもしれません。体を動かすことで気持ちも切り替わるのです。

落ち込んでいる時は、考え方が後ろ向きになりがちです。そうした時こそ、まずは目の前のできることから取り組みたいものです。

今日の心がけ◆目の前のことから取り組みましょう

                                                                                (出典:職場の教養 2023年5月号)

私たちが直面する困難や課題に対して、自分が今すぐに行動できる小さなステップを踏むことが、困難を乗り越える力になり、気持ちを再燃させることができます。

これはビジネスリーダーとしても、そして人間としても同じです。

すでにある多くの研究も、一歩一歩進むことが長期的な成功につながることを示しています。

例えば、過去のハーバード・ビジネス・レビューにおいても、小さな目標を設定し達成することが、自己効力感の向上と長期的な成功につながることが論じられています(”The power of small wins”、Teresa Amabile et al., Harvard Business Review, 2011)。

そして、小さな成功の連続が達成感となり、大きな成功を実現するモチベーションを引き立てることが明らかにされています。

具体的な例を一つ挙げますと、マイクロソフトのCEO、サティア・ナデラ氏は、ビジネスの困難に直面したときには、小さな成功を追求することが大きな成果につながると述べています。彼のリーダーシップの下で、マイクロソフトはその視点を具体化し、一つ一つのプロジェクトやタスクを具体的で達成可能なステップに分解して取り組んでいます。結果として、同社は巨大な変革を遂げ、市場価値を大幅に向上させることができました。

私たちは、改めて小さなステップを踏むことの重要性を再認識することが必要です。

自分自身が直面する困難や挑戦について考えるとき、また、自分がリードするチームや組織が直面する課題について考えるときも、”できることから”始めることの力を信じましょう。

そして、一歩一歩踏み出すことで、より大きな変革や成果を達成する道も切り開かれていきます。

これはビジネスの世界だけではなく、私たち自身の人生においても同じです。

どんなに小さなステップであっても、それは私たちが前進する力となります。

あなた自身が直面している問題や課題、または目標に立ち向かうために、今日、今この瞬間に何ができるか考えてみてください。

そして、その一歩を踏み出すことで、明日への道を切り開いていきましょう。

“今、着手できること”から始めることは、私たちが自己効力感を育て、モチベーションを維持し、究極的には目指す目標に到達するための鍵となります。

私たちが直面するすべての問題や困難が、小さなステップで乗り越えられるとは限りませんが、それでも”着手できることから”始めることが、困難な局面を乗り越え、最終的な成功への道を開く重要な第一歩となるのです。

そして、あなたが小さな一歩を踏み出すことで、あなた自身、あなたのチーム、あなたのビジネス、そしてあなたの人生が、より大きな成果と成功へと前進することを確信しています。そう、”着手できることから”始めてみましょう。

本日も今日のエピソードを踏まえた、お勧めの書籍を3冊ご紹介致します。

習慣の力:The Power of Habit
チャールズ・デュヒッグのこの書籍では、私たちの日々の行動や習慣がどのように形成され、私たちの生活や仕事にどのように影響を及ぼすかを明らかにしています。
特に、小さな行動の変化がどのように大きな結果を生むかについての洞察は、”着手できることから”始めるという観点から非常に興味深いです。


スライトエッジ
“一歩一歩の進行”という視点からは、ジェフ・オルソンのこちらもお勧めです。
この書籍では、一見無意味に見える小さな行動が、時間と共にどのように大きな成果を生むかについて掘り下げています。

ビジョナリー・カンパニー2
最後に、リーダーシップと自己成長の観点からは、ジム・コリンズのこちらが有益です。
この書籍は、組織が一流になるために必要な要素を詳細に説明し、その一つに、一歩一歩の進行と持続的な改善が含まれています。