5月21日(日) 顧客満足
顧客満足
商品やサービスにおいて「顧客満足」という言葉をよく耳にする昨今です。
顧客満足とはカスタマーサティスファクション(CS)とも呼ばれ、人が商品やサービスの提供を受ける時に感じる何らかの満足感のことです。
お店利用時のポイント付与、会員への割引サービス、後日届くお礼のハガキやメール、ネット予約システムなど、私たちは身近なところで様々なサービスを受けています。
業種によっては、お客様の期待を上回るようなサプライズ効果を工夫する企業もあるようです。相手のことを思った取り組み、商品、サービスの質的向上は企業成長の要でしょう。
顧客相手に限らず、職場内でも感謝の言葉や良かった点を伝えるカードを社員同士で送り合う企業もあります。
日頃から充実した関係を築くために、互いを思いやりながら喜んで働ける職場づくりを推進し、お客様に喜んでいただける働きを目指していきたいものです。
今日の心がけ◆相手を喜ばせる工夫をしましましょう
(出典:職場の教養 2023年5月号)
■経営者からの感想
顧客満足を追求し続けることは、企業の業績を向上させ、持続可能性を高めるための重要な要素です。
現代のビジネス環境は刻一刻と変化しており、顧客のニーズの変化のスピードも急速です。
また、消費者・企業は製品やサービスに対して常に高い期待を持っており、企業は顧客満足度の追求を通じて、顧客のロイヤルティを築き、持続的な成長を達成することを目指す必要があります。
ハーバード・ビジネス・レビューの2014年の研究では、「顧客満足度が高い企業は、顧客満足度が低い企業に比べて2倍の売上成長を達成している」と報告されています("The Value of Customer Satisfaction", HBR, 2014)。
具体的な例として、Apple社が挙げられます。
彼らは製品の品質と革新性に加えて、高い顧客サービスを世界の多くの国で提供しています。
そして「Apple Store」では、顧客の期待を超える体験を提供することを目指しています。
結果として、2022年のAmerican Customer Satisfaction Index(ACSI)によれば、Appleは顧客満足度評価で業界をリードする存在であり続けています。
我々も改めて、顧客満足度の追求に目を向け、そのための革新的な手法を開発し続けるべきです。
そのためには、顧客の期待を理解し、それを超える体験を提供することが求められます。
また、一方自社の職場の文化や働き方にも注目し、商品、サービスを提供する自社の社員が、満足しながら働ける環境を提供することで、顧客への良質なサービス提供が持続的に可能となります。
よって、我々は社員満足度そしてエンゲージメントも等しく重視しなければなりません。社員のエンゲージメントが高いほど、より高品質なサービスを提供することができ、その結果顧客満足度も向上します。
ギャラップの2017年の調査によれば、社員のエンゲージメントが高い企業は顧客のロイヤルティが20%高いと報告されています("State of the American Workplace", Gallup, 2017)。
現在の企業経営においては、顧客満足度と社員満足度を含めたエンゲージメントスコアの両方を追求することが、企業の持続的な成功への鍵となるでしょう。我々はこの両面に着目し、それぞれを高めるための施策を考え、実行していくべきです。
そして、ビジネスリーダーとしての私たちの役割は、これらの価値を理解し、実現することです。私たちの本気の行動が、企業の持続的成長に繋がります。顧客満足度とエンゲージメントスコアの向上を目指して、新たな挑戦を恐れず、改善と革新に努めてまいりましょう。
未来は我々が創り出すものです。始めるのはもちろん、今です。
本日も今日のエピソードを踏まえた、お勧めの書籍を3冊ご紹介致します。
1分間顧客サービス―熱狂的ファンをつくる3つの秘訣 K.ブランチャード,S.ボウルズ著
この本は、単に顧客を満足させるのではなく、「熱狂的なファン」を作るという革新的なアプローチを探求しています。
ブランチャードとボウルズは、顧客の期待を上回るサービスを提供する方法を解説し、顧客満足度を最大化するための貴重な洞察を提供しています。
顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか トニー・シェイ著
ザッポスのCEOであったトニー・シェイが、どのようにして顧客サービスに焦点を当て、顧客満足度と社員満足度の両方を追求して成功を収めたのかを詳述しています。
彼のビジョンと戦略の考え方は、さまざまなビジネスに適用可能なフレームです。
モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか ダニエル・ピンク著
この本は、人々が何によって動機づけられるのかについての誤解を解き明かし、科学的に証明された動機づけの原理を提供しています。
社員のエンゲージメントと満足度を向上させるためには、これらの原理を理解し適用することが不可欠です。
ピンクの洞察は、社員満足度と結果的には顧客満足度を向上させる上で、大変有用です。
これらの書籍は、顧客と社員の両方を満足させるための具体的な戦略と洞察を提供しています。各ビジネスリーダーがこれらの知識を活用して、自社のビジネスモデルを改善し、競争力を高めることが期待されます。