11月5日(日) 率先垂範

率先垂範(そっせんすいはん)

仕事には道具が必要不可欠ですが、その恩恵は忘れがちです。

運送会社を経営するM氏は、月間無事故を目標に掲げています。目標達成のために社内の掲示物や外部講師を招いての講習など、社内全体で安全への意識を高める取り組みを行ないましたが、目立った成果は出ず、頭を抱えていました。

ある日の早朝、男性社員が、自家用車から降りる時に靴を履き替えている姿を目にしました。その社員に話を聞くと、車内を汚さないために、車内用の靴を持っているとのことでした。

車を綺麗に使うという意識の高さに触れたM氏は、そうした意識が事故を減らすことにつながるのではないかと考え、翌日からトラックの洗車をはじめました。

洗車を続けていると次第に社員も手伝ってくれるようになり、トラックを大切に扱う意識が社内全体に広がっていきました。

大切なことを周りに意識してもらうためにも、まず自分から率先して取り組みましょう。その行動が周囲に好影響を与えることにつながるでしょう。

今日の心がけ◆自ら行動しましょう
                   (出典:職場の教養 2023年11月号)



◼️起業を目指すあなたに向けて

M氏の「率先垂範」というエピソードから学ぶべき教訓があります。M氏が直面したのは、ただの目標設定の問題ではなく、社内文化の醸成というより深い課題でした。彼が取り組んだ洗車は、単なる清潔の維持以上の意味を持っています。それは、仕事への誇りと丁寧さ、そして共有の責任感を育てる行為でした。

このエピソードは、具体的な行動が如何にして文化を形成し、結果として組織の成長に寄与するかを教えてくれます。ビジネスにおいても、何か新しい取り組みや改善策を始める際には、その道具や方法の表面的な恩恵だけでなく、それがチームや組織の態度や行動にどのように影響するかを深く考えなければなりません。

社員一人ひとりが車内用の靴を持っているわけではありませんが、M氏の行動が示すように、リーダーが示範を見せることで、その精神は徐々にチーム全体に浸透します。リーダーが高い意識を持って行動することで、同じ思いがチームにも広がり、組織全体の成果につながるのです。

あなたが目指すビジネスの世界でも、この原則は変わりません。自分がどのように行動するかが、結果的には組織全体の成果に影響を与えるのです。だからこそ、目の前の仕事に最善を尽くし、その姿勢をチームにも伝えることが重要です。率先して取り組み、その姿勢を通じて他者に影響を及ぼすことで、組織全体の成長を促しましょう。

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