11月3日(金) 褒め育て

褒め育て

書道講師をしているNさんの体験です。

ある時、60歳を過ぎたSさんが書道会に入会してきました。Sさんは書き癖が強く、なかなか手本の通りに書くことができません。添削すると、朱墨(しゅぼく)で半紙が真っ赤になるほどです。

繰り返し注意しても、Sさんの書き癖は一向に直りません。困り果てて先輩に相談すると、「書き癖を注意し続けるよりも、良い点を見つけて伝えてあげたらどうでしょう。褒められると嬉しいものですよ」とアドバイスされました。

Nさんは、直すべき点ばかり指摘していたことを反省し、「力強くかけた」「最後まで丁寧に書けた」と添削のたびに褒めるようにしたのです。するとSさんは毎日筆を持つようになり、一年経つ頃には見違えるほど上達しました。

後日、Sさんは「最初は上達できるか不安でした。でも先生が褒めてくれるようになり自信を持つことができました。今は書道に夢中です」と語ったといいます。褒めることにより、人は大きく成長できると実感したNさんです。

今日の心がけ◆良い点を褒めましょう                   (出典:職場の教養 2023年11月号)



◼️起業を目指すあなたに向けて

『褒め育て』というエピソードは、書道講師をしているNさんの体験を通して、人の成長の可能性やその背後にある力を示しています。書道という繊細な技術を学ぶ中で、60歳を過ぎてから学び始めたSさんが、最初は手本に沿った書き方が難しく、多くの誤りを犯していました。しかし、先輩の助言に従い、NさんがSさんの良い点を褒めるようになると、その変化は驚異的でした。

このエピソードから、何を学ぶことができるのでしょうか。第一に、人はどの年代であっても新しいことを学ぶことができ、成果を上げることができます。年齢や経験に囚われず、新しい挑戦を恐れないことが大切です。

次に、批判や指摘だけでなく、良い点を見つけて褒めることの力を再認識することです。チームや組織の中で、皆が互いの良い点を認識し合い、それを声に出して伝えることで、メンバー全体のモチベーションや自信が高まり、成果を上げやすくなります。このエピソードが示しているのは、褒めることの力がいかに人を成長させることができるかということです。

そして、ビジネスの世界でも、顧客や取引先、そしてチームメンバーに対して、良い点を褒める姿勢を持つことは、関係の深化やチームの連携を強化するための鍵となります。言い換えれば、褒めることは単なる「良い行為」ではなく、実際の「成果」へとつながる行動です。

起業家としての道は決して平坦ではありません。しかし、このエピソードのように、人々の力を信じ、互いの良い点を褒め合うことで、難しい局面を乗り越え、目指す目標に近づくことができます。

最後に、起業を目指すあなたへ。新しいことを始める勇気を持ち続け、そして周囲の良い点を褒めることで、より多くの成果と成長を得ることができるでしょう。共に良い点を見つけ、その価値を高め合う世界を築き上げる行動を起こしましょう。

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